著者: 嶋 正利
CPUがなぜ生まれたのか、どのように生まれたのかを、世界で最初のCPUを設計したメンバーの一人(日本人)が当時の様子を語ってくれます。
技術以外のところが案外面白く、最初のプロセッサのアイデアを出した彼はメモ魔だとか、最後はメンバー間の対立でチームが崩壊していくところ等、当事者の視点がたくさんあってリアリティがあります。
当時の時代状況(マイクロプロセッサの夜明け)も当事者の視点から語られており、胸が熱くなります。現在、半導体メーカは日本では壊滅的になってしまっており、寂しい限りですが、当時の日本では、東芝やシャープ等、名だたる半導体メーカが電卓の開発でしのぎを削っており、著者がその真っ只中で競争してきた結果生まれたのがIntel 4004、そしてZ80です。
現在のプロセッサに至る系譜をたどるのに大変有益かつ、コンピュータに携わるものであれば一度は読んでおきたい本だと思います。